『YAMAP』の説明会を視聴しました。

登山中に、スマートフォンやタブレットの画面に表示した地図上に、自分の現在位置をほぼ正確に示すことができるキャッシュ型GPSアプリ。私は2013年から活用し始め、2018年からは自分がガイドする登山に参加する皆さんにも、活用をお勧めしています。

GPSアプリは当時から数種類ありましたが、私が最初にお勧めしていたのは『Geographica』。機能はシンプルにGPSに特化していて、操作もボタンのタップが中心です。いちど操作法を覚えてしまえば、あとはとても使いやすいと考えたのです。

しかし昨年、2020年3月からは、『YAMAP』をお勧めするようになりました。
その少し前、『IT時代の山岳遭難』という本を書くために、『ヤマレコ』『YAMAP』『Geographica』『スーパー地形』の、4つのGPSアプリを実際に使って比較したのですが、その結果、初級者にはもっとも扱いやすいのがYAMAPだと感じたからです。

YAMAP
シンプルな画面のYAMAP。最近はもっとも使っているGPSアプリです

決め手は操作手順の少なさと、登山コースが表示されること(やや不正確なのですが)。
また登山後にマイページから自分の活動日記を見ると、地点ごとの通過時刻や、地図と連動した高低図が表示されて便利です。さらにPCでYAMAPにアクセスすれば、同じものを閲覧できることも重宝します。

ヤマレコも機能的にはほぼ同等で、どちらにしようか迷ったのですが、手軽なのはやはりYAMAPのほうでした。
PC版に広告がないことや、電波がない場所にいる登山者の位置を推定する「みまもり機能」があることも、お勧めできるポイントとなりました。

そのYAMAPが、約2週間後となる3月1日より、地図のダウンロードに関する仕様変更を行なうとのこと。
おととい(2月15日)、YAMAP代表の春山慶彦氏によるその内容についての説明会がYoutubeで行なれたので、時間をとって私も視聴しました。

仕様変更は、無料ユーザーが対象でした。
地図のダウンロード枚数に、制限が加えられることになるそうです。
これまでは無制限だったものが、1ヶ月間で2枚まで。
また、スマートフォン(タブレット)に保存できる地図の枚数も制限されます。
これまでは5枚だったものが、2枚までとなるそうです。

この制限を解除するには、有料のプレミアム会員になる必要があります。
アプリ上からの加入の場合、月額580円か年額4,600円のどちらか。
またはWEB上から加入すると、月額480円か年額3,480円のどちらかと、少しお安くなります。

私個人は、すでにプレミアム会員ですので、特に変わることはありません。
ただガイド登山のご参加者に、最初に使うGPSアプリとしてはYAMAPはお勧めしにくくなりました。
もちろん今まで使っていた方であれば、プレミアム会員になって使用を継続していただくのが一番であり、そのようにお勧めするつもりです。
しかし初めてYAMAPを使う方では、試しに使ってみて良いと思っても、自宅などで操作方法を練習する間に、2回の制限に引っかかってしまいそうです。ちょっとこれでは、お勧めには不適です。。

そのため、YAMAPのプレミアム会員には1ヶ月間料金が発生しない無料体験期間があることもお伝えした上で、スタンダードプランは無料のヤマレコや、960円一回の支払いで機能制限解除できるGeographicaを優先してお勧めしようと考えています。

とはいってもYAMAPの取り扱いやすさは優れものです。それに行方不明者の発見に威力を発揮するであろう「みまもり機能」は、YAMAPのユーザー数が多いからこそ成立する機能です。なのでプライベートでは今後も、積極的にYAMAPを活用していくつもりです。

  • X